「いくつになってもパートナーとのセックスライフを楽しみたい」
ですがセックス時に痛み、セックス後に出血があったりすると心からセックスが楽しめなくなってしまいます。
セックス時の痛みを「性交時痛」と言い、セックス後の出血を「性交後出血」と言います。
なぜこのようなことが起こるのでしょうか?
主な原因をご紹介します。
なぜ、性交時に痛みが
あったり、出血するのか?
性交時痛や性交後出血の原因は様々ですが、大きな原因として更年期にともなう女性ホルモン(エストロゲン)の減少が挙げられます。
また子宮内膜症などの子宮の病気や、性感染症が原因で起こることもあります。
更年期による女性ホルモンの減少
更年期になりエストロゲンが急減すると、膣内部の潤いが失われてしまい、挿入時に痛みを感じるようになることがあります。
また、エストロゲンの減少により膣内部が乾燥し細菌が繁殖することで起こる「萎縮性膣炎」も性交時痛の原因となります。
膣炎、バルトリン腺炎などの
外陰部の炎症
膣の入口の左右にある分泌腺(バルトリン腺)で起こる炎症(バルトリン腺炎)、外陰炎、膣炎などが性交時痛・性交後出血の原因となる場合があります。
挿入し始めに痛みを感じるような時には、特にこれらの外陰部の炎症が疑われます。
子宮内膜症、子宮筋腫などの
子宮の病気
子宮内膜に似た組織が子宮以外の部分にできる「子宮内膜症」、また子宮の壁にできる良性腫瘍「子宮筋腫」が原因で、性交時に痛みを感じるようになったり、セックス後に出血したりすることがあります。
性感染症
性器ヘルペスやカンジダ膣炎などの性感染症になると、膣粘膜で炎症が起こるなどして、セックスの時に痛みを感じるようになることがあります。
膣の形態
生まれつき膣の入口が狭かったり、セックスの経験が少なくて膣壁が硬かったりする場合、性交時痛が起こりやすくなります。
また、加齢にともないエストロゲンが減少して膣内部が乾燥すると、膣壁の弾力性が失われてセックスの時に痛むことがあります。
治療・ケアについて
セックス時に痛みがあったり、セックス後に出血したりする場合、我慢したり放置したりせず、病院を受診してきちんと専門家に診てもらうことが大事です。
加齢にともなうホルモンバランスの乱れだけでなく、子宮内膜症や性感染症でこうした症状が現れる場合がありますので、早めに診断を受けて、原因に合わせた適切な治療を開始するようにしましょう。
ホルモン補充療法(HRT)
エストロゲンの減少によって性交時痛・性交後出血が起きている場合には、ホルモン補充療法(HRT)で改善させることが可能です。
更年期障害の治療でも行われる方法で、加齢により不足したエストロゲンを補うことで膣粘膜の乾燥を防ぎます。
各疾患に対する治療
子宮内膜症、子宮筋腫などの子宮の病気、性器クラミジアやカンジダ腟炎などの炎症性疾患が原因で痛み・出血が起こっている場合には、各疾患に対する適切な治療を行うことで改善をはかります。
パートナーにも
理解してほしい
セックス時に痛みがあっても、なかなかパートナーに伝えられず我慢されている方も多いのではないでしょうか?
ですが性交時痛の一番の原因は「膣の乾燥」ですので、パートナーに協力してもらうことで改善できる場合があります。
挿入をスムーズにする膣の分泌液は、性的な刺激を受けることで分泌されますので、十分な時間、前戯を行って膣を潤し、女性の受け入れ体制が整ってから挿入するなど、セックスの方法を工夫することで痛みが抑えられるようになります。
また、潤滑ゼリーやローションなどを活用するのも良いでしょう。
このように性交時痛を抑えるための方法は色々ありますが、それらを試しても痛み・出血があるような場合には病気が原因かもしれませんのでお早めに当院へご相談ください。